一覧 仕事 働き方・考え方

【受託トラブル】クライアントへの対処方法

投稿日:

 

クライアントからの受託ビジネスを生業にしていると、大小様々なトラブルが発生します。

 

トラブルの例を挙げると

・納期遅れによるトラブル(原因は多数)

・要望がどんどんエスカレート、工数オーバー

・人為的ミスによる経済的な損害

・情報漏洩による社会的な損害

・金銭トラブルからの訴訟問題

などなど。

 

私も10年(以前の媒体社営業時代も含めると15年)近く、受託ビジネスに関わっており、様々なトラブルを経験してきました。

 

クリティカルなトラブルに遭遇してしまうと、心身喪失状態に陥ってしまい仕事ができなくなってしまう最悪な自体になりかねません。

 

そうした自体を避けるために知っておくべき知識と、事前の対処法を備忘録したいと思います。

 

クライアント都合で作業ストップ!支払いもしないと言い始めた

 

まず仕事を受ける側が知っておくべき法律があります。

それが「下請け法」です。

 

受託側は発注側に対して、立場が弱いのでそうした不利な立場を守ってくれる法律です。

ただし、全ての場合に適用されるわけではなく発注側と受託側には一定の資本差が必要です。

 

参考)公正取引委員会

https://www.jftc.go.jp/shitauke/shitaukegaiyo/gaiyo.html

 

例えば、

・あらかじめ定めた下請代金を減額すること。

・類似品等の価格又は市価に比べて著しく低い下請代金を不当に定めること。

・費用を負担せずに注文内容を変更し,又は受領後にやり直しをさせること。などは下請け方で禁止されています。

 

以前、とある外資系の人材会社のコーポレートリニューアルを手がけていたんですが、要件定義開始から2ヶ月して、急に本国の売り上げが芳しくなく途中でストップしてほしいといったケースがありました。

しかも、サイト納品までに至っていないので支払いはできないと言っています。

 

この場合は明らかに下請け法に引っかかっているケースです。

 

2ヶ月間はクライアントからの発注によって稼働しています。クライアント側は最初は断固として拒否をしていたのですが、下請け法にかかる旨を通知したところ先方の弁護士さんから連絡があり、すんなり工数分を支払うとおっしゃっていただきました。(最終的に数百万の稼働を支払っていただきました。)

 

その他、某検索大手の会社から依頼を受けてアプリを作っていた時も同じようなケースがありました。

 

面白いのが、最初はクライアント側も強気に出てきます。

だけど、下請け法における是正勧告や訴訟による企業ブランド毀損の方がリスクが高いことを理解し、折れてくれる方が大半です。(ただし大手に限るかもしれません)

 

発注経験が少ない会社さんは下請け法を知らない場合があるので、仕事を受ける方も泣き寝入りせずにしっかり理解しておく必要があります。

 

要望がエスカレート!サイト公開延期、、遅延金を払えと言われた

 

受注側のミスや実力不足によってスケジュールが押してしまうことはよくあります。

その場合、まずは受注する側にも責任を持って完遂できるのかを事前にしっかり判断する義務があると言えます。

 

 

ただし、このケースは当初のオリエンを超えた要望による遅延が受注側の責任になっているケース。

こちらもよくあるパターンです。

 

 

まずは、要望がエスカレートしているなと感じた時点でしっかりと要求をNOと言える能力が必要かもしれません。

ただし、そうは言っても後の祭り。日々進む進行の中でなかなか線引きが難しい状況もあると思います。

 

そこで最終的に身を守ってくれるのが、「業務委託契約書」です。

 

 

大規模なシステム開発になると、「期日の遅延による損害遅延金は1日につき◯%発生する」と明記してあることがあります。

数百万くらいのサイトだとあまり明記されないことが多いかと思います。

 

 

リテラシーや経験がない方がプロジェクトオーナーになると、無邪気に修正依頼を出しまくってくるなんてことは日常的に起こりますよね。

さらに代理店が入っていたりするとめちゃめちゃです。受託側の責任だけではありません。

契約上、明記してないことはハッキリと断りましょう。

 

このクライアント臭うな、、と思ったら取引しないことが一番です。

ただし、結婚と一緒で最初は優しそうな印象だったクライアントさんがスタートすると豹変していくことはよくあります。

 

当たり前のようですが、まずはきちんと責任の所在をはっきりとさせる契約書を結ぶことが大切です。

 

先行販売予定の映画チケットが人為的なプログラムミスでなんと二重予約、、、

 

とある大手映画館のチケッティングアプリを運用していた時のこと。

大人気シリーズの新作映画をアプリユーザー限定で先行チケット発売を行う施策がありました。

 

テストを重ねて準備を整え、午前0時スタート。

 

多数アクセスがあり、成功したねなんてメンバーとコーヒーをすすっていたら、クライアントからの電話。

なんと席が二重に予約されており定員を超えた数百名の方にも予約完了通知が言ってしまっているとのこと、、、

 

テスト検証はしていたものの、本番アップの際に先祖帰りをしてしまったプログラムをあげてしまったという人為的ミス。。

血の気がひきました。

 

結果、予約できなかったすべての人に無料チケット配布で謝罪。

数百万円の損害をすべて補填することに。だいたいミスが起こる時はミラクルについてない時ですよね。

このケースもそうしたいくつかの要素が重なってしまいました。

 

 

何が言いたいかというと、

・ダイレクトにクライアントの収益(お金)に関わる領域

・個人情報に関わる領域

にはフリーでやっている個人事業主は絶対手を出すのはやめましょう。ということです。

 

責任が取れない領域には絶対を手を出さない。

(スキル成長のために難易度高い案件に挑戦!とは別の話です。)

 

トラブルはお金と時間と精神を食いつぶす

 

「苦しい時に成長している」

 

これはよく先輩に言われた言葉ですが、上記のようなトラブルは会社員の時に経験させてもらうべきであって、個人でやっている時は絶対避けるべきだと思っています。

 

トラブルが起こった時に、最悪の事態を考えます。

 

それは、「お金」が奪われ、「時間」も拘束され、「精神」が病んでしまうことです。

 

「死なないから大丈夫」が口癖の楽観的な先輩もいましたが、命を奪われかねないとも思っています。

 

自分の身は自分で守る。何かあったら本当に助け合っていきたいと思います。

 

(終わり)

-一覧, 仕事, 働き方・考え方

Copyright© 不動産賃貸業への道 , 2024 All Rights Reserved.